第一話「それゆけぼくらのゴネンジャー!」
竹谷八左ヱ門、不破雷蔵、久々地兵助の三人は同じ高校に通うごく普通の少年たちであったが、購買部にて青く輝くヤキソバパンを三人同時に掴んだ瞬間、彼らの運命は一変したのだった。
突然現れた妖精、タキ&ミキに体育館裏へと呼び出され、彼らはそこで使命を受ける。三人は、この地球を悪より救い出す為に選ばれし戦士、ゴネンジャーであると!
そしてそこに、ナイスタイミングで敵たちが現れる。闇に潜む内に自らが闇に取り込まれてしまった「邪忍衆」である。
八左ヱ門、雷蔵、兵助は常軌を逸した理解力と順応力を発揮。初めてとは思えない程のスムーズさで、八左ヱ門はゴネンジャー・バンビーノ、雷蔵はゴネンジャー・モーニング・グローリィ、兵助はゴネンジャー・ロンサール変身する。打ち合わせも何もしていないはずなのに、決めポーズだってばっちりである。
そして彼らは特に何の必殺技も使わずに邪忍衆をボコッてボコッてボコりまくり、見事勝利をおさめるのであった!
「え、こんなんでいいの? おかしいんじゃない?」
と戸惑う八左ヱ門であったが、大丈夫、きみらはそれくらい地味なのが似合っている。
こうして少年たちの物語が始まったのであった。
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第二話「動物好きには悪い奴なんていないよ!!」
学校の、今は使われていない「オーパーツ同好会」の部室をゴネンジャーの拠点として利用することに決めた八左ヱ門たち。
しかし動物好きな八左ヱ門が次々に猫や犬、はたまた蛇やサソリまで拾って来てしまうので、兵助はそれに難色を示す。人の好い雷蔵も苦笑いである。
しかし八左ヱ門は、かわいい動物たちを捨てることが出来ない。
すると動物をワサワサ連れて歩いているところを敵に襲撃され、動物たちをかばうあまり負けそうになってしまう。
「だから元の場所に返して来なさいって言ったでしょ!」
おかあさんの如く怒る兵助。「まあまあ、そんなにきつく言わなくても……」と、おとうさんの如く宥める雷蔵。
流石の八左ヱ門も反省するが、どうしても一度拾った動物を捨てるということが出来ない。
そこにまた敵襲が。
お互いの間に溝が出来たままのゴネンジャーは苦戦するが、彼らのピンチを救うため、動物たちが敵に襲いかかった!
「お、お前たち……!!」
動物たちの援護(特に、さそりがシャレにならない活躍ぶりであった)で見事勝利をおさめたゴネンジャー。
これには兵助も認めざるをえない。
「ちょっとだけなら飼っても……」
と譲歩しかけた兵助であったが、実はこの動物たちは八左ヱ門の人柄に惹かれて飼い主のところから脱走してきたペットであったことが判明。それぞれを飼い主・伊賀崎孫兵に返却し、八左ヱ門は寂しさのあまり一粒の涙をこぼしたが、まあ、とりあえずなんやかんやで一件落着したのであった。
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第三話「右手に鉛筆、左手は拳を!」
地球の平和を守るゴネンジャーも、本業は高校生。学業からは逃れることが出来ない。
中間試験を控え、八左ヱ門と雷蔵は部室にて必死に勉強をしていた。そんな中、ひとり平然としている兵助。彼は成績が学年トップであり、試験対策はすでにバッチリなため余裕なのだった。
そんな兵助を、物陰から憎しみをこめて見つめる人影があった。
それは兵助と同じクラスの男子生徒で、彼はどうしても兵助に成績で勝つことが出来ず、常に二位なのであった。
久々知さえいなければ……と憎悪を燃やす男子生徒。そこを邪忍衆につけ込まれ、悪の心に身体を乗っ取られてしまう。
悪の力を手に入れ、暴れ回る男子生徒。
異変に気付きゴネンジャーが駆けつけるが、悪の心を持ってはいても身体は人間であるため、八左ヱ門と雷蔵は躊躇してしまう。
しかしそんなふたりと違い、兵助は一秒と迷わずに男子生徒の横っ面を全力で張り倒す。八左ヱ門と雷蔵が引くくらいの殴りっぷりであった。
明らかにそれはやったらあかんことやろう、とビクビクするふたりだったが、男子生徒は頬を張られたことで悪の心が抜け改心。
ついでに彼の内に潜む被虐趣味の扉も開いて、めでたしめでたしなのであった。
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第四話「その選択」
雷蔵は優しくて人当たりがよく、誰からも好かれる性格である。しかし、そんな彼にも欠点があった。極端に優柔不断なのである。
何時でも何処でも迷う彼は、邪忍衆との戦闘中にも悩み、その隙を敵に突かれ負けそうになってしまう。
八左ヱ門と兵助の助けにより、その場はどうにか切り抜けることが出来たが、「一瞬の判断が出来なければ、地球を守ることなんて不可能だ」と兵助に指摘され、まったくその通りだと雷蔵は酷く落ち込んでしまう。
そんな彼を気遣った八左ヱ門は、翌日、雷蔵にプレゼントを渡した。
それは、鉛筆であった。
迷ったときは、これを転がせば良いのである!
名案を得た雷蔵は喜ぶが、次の戦闘中であっさりと敵に鉛筆を折られてしまう。まったく想定外の出来事に戸惑う雷蔵。
しかも、八左ヱ門と兵助が敵に捕らえられてしまった。
「ゴネンジャー・モーンニング・グローリィよ、どちらかひとりだけを助けてやろう! お前はどちらを助ける!」
非道な選択を突きつけられる雷蔵。しかしこのとき、彼の中で何かが目覚めた!
「そんなもの、どっちも助けるに決まってるだろう!」
怒りに燃えた雷蔵の一撃で敵は吹っ飛び、八左ヱ門も兵助も無事に助けることが出来たのだった。
雷蔵に決断力がついたことに喜ぶゴネンジャーたち。
しかし翌日、学食にてメニューをいつまでも決められない雷蔵の姿があった。やはり彼は、まだまだ優柔不断のままである。
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第五話「可憐な毒花! ユキ&トモミ登場!」
自身の経営する美容院が休みだからと言って、妖精・タカが敵襲を知らせてくれた。現場に急行するゴネンジャーたち。
そこにいたのは、いつもの黒装束の邪忍衆ではなく、桃色の衣装に身を包んだふたりの少女であった。
彼女らの名前はユキとトモミといい、ふたりの口から初めて、邪忍衆は謎の組織「卍(まんじ)」から派遣されていること、卍のリーダーはシナという名の女帝、更に彼女らには「戸部新左ヱ門」という眠れる隠し玉があることが告げられる。
女子ふたりは、いつもの雑魚敵よりもずっとあざとく、そしてやり方がえげつなかった。
人を騙し、裏切り、たぶらかし、傷付けて人の心に闇を生むのである。
敵幹部に果敢にも挑むゴネンジャーであったが、
「え、ふつうにブサメンばっかじゃね?」
という彼女らのひとことに深く傷付き、戦闘不能に陥ってしまうのであった。
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