※現代パロディで女体化です
※性別以外の設定は「ノバディノウズ」や「フロウハロウ」と同じです
※参考までに、↑の人物設定
※割と百合っぽいです
■フレンド■
「ねえねえ、不破はバレンタインにどんなのが食べたい?」
お弁当を食べ終えてまったりしていたら、鉢屋がそんなことを言って一冊の本を取り出した。「バレンタインのためのチョコレートスイーツ」。わたしは身を乗り出して、その本に飛びついた。
「えっ、鉢屋、作ってくれるのっ?」
フォンダンショコラが大写しになっている表紙と、鉢屋の顔を交互に見て尋ねる。すると彼女は、やさしく微笑んだ。
「うん。きみが食べたいやつを作るよ」
わたしは思わず、レシピ本を胸に抱きしめる。鉢屋の姿が輝いて見えた。口から、ほうっという溜め息が漏れた。
「鉢屋……大好き……!」
「やだなあ、言わなくても分かってるって。ほら、選んで選んで」
「あっ、うん! ……ええ、でも、迷うなあ……。表紙のフォンダンショコラが、既にもう美味しそう……」
「うんうん」
「でもやっぱりチョコレートケーキかなあ……。ねえ、この、フロマージュショコラって美味しそう」
「そうだねえ」
「チョコレートプリン……」
「うんうん」
なかなか決められなくてグダグダになるわたしのことを、鉢屋は笑顔で見守っていてくれる。ああ、だって、どれも美味しそうなのだ。それに鉢屋の手に掛かれば、どのお菓子を選んだって素晴らしく美味しく作ってくれるのだもの! どれを引いても当たり。そこからひとつ。難しい。
「……よし」
わたしは、ぱたんと本を閉じた。鉢屋が「おっ」と小さく声をあげる。
「決まったの? 珍しく、早いね」
「……この本、お借りして良いですか」
わたしは真面目な顔で言った。直後、鉢屋の笑い声が弾ける。
「うんうん、良いよ。ゆっくり選んでおいでね。一個に絞れなかったら、二個でも三個でも作ってあげるから」
彼女は肩を震わせて、わたしの頭を撫でた。二個でも三個でも、という気前の良い発言に、わたしの胸は高鳴った。
「えっ本当!? ……でも、そんなに食べたら太っちゃうよね……」
「良いよ良いよ、ちょっとくらい」
「鉢屋は細いもんなあ……」
「あとね、わたし最近カルボナーラ極めたから、それも作るね」
「えー凄い! 楽しみ!」
わたしは手を叩いて喜んだ。バレンタインパーティー。なんて素敵なイベントだろう。それじゃあ、わたしからのバレンタインプレゼントは何にしようかな。食べ物は彼女が色々作ってくれるみたいだから、それ以外が良い。また考えておこう。それで、わたしも彼女に贈るのと同じのを買って、お揃いで持とう。鉢屋はお揃いが好きだから、きっと喜ぶはずだ。
それから、竹谷のことを考えた。彼女はどうだろう。誘ったら来るかな。だけど最近、チョコより餡子の方が美味しいと言っていたから、どうかなあ。
30分!
「現パロ五年生女性転生バージョン」鉢雷編です。
……このふたりは前世の記憶がないので、連載の設定が全然踏まえられてないですが……!
ちょっと自分でも分かんないんですが、鉢屋さんに「カルボナーラ極めた」って言わせたかったんです。
……何でカルボナーラなのかは、自分でも分かりません。
でも、書きたかったので書けて良かったです。
鉢雷は、女の子同士にしたらいちゃいちゃっぷりが天元突破すると思う。お揃いは当たり前。多分下着もお揃いです。不破さんだってノリノリ。
あと、さりげなく竹谷さんは味覚が古風になっております
うっかり2編になってしまいましたが、リク有難うございました!
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