※現パロ、連載とは無関係、大学生くらい、すでに出来てる鉢雷です




■攻撃力■


 雷蔵より先に起きて、彼の寝顔を眺めるのが好きだ。

 三郎はとても幸福な気持ちで、腕の中で眠る雷蔵の顔を見つめた。心地良さそうな寝息をたてる雷蔵。僅かに開いた唇と、伏せられた薄い瞼に触れたくて、うずうずしてしまう。

 可愛いなあ。雷蔵は、本当に可愛いなあ。

 恋人の寝顔に胸をときめかせていると、雷蔵が微かに身じろぎをした。眉間に皺を寄せ、うう、とむずがるような呻き声を漏らす。 そして彼は、ゆっくりと目を開いた。この瞬間、三郎の甘美な時間は終わりを告げた。それと同時に、雷蔵とともに一日を過ごすという、至福のときが始まるのである。

「おはよう、雷蔵」

 声をかけると、雷蔵はとろんとした目をこちらに向けてきた。まだ半分 、夢の世界にいるらしい。

「おはよう……今、何時……?」

「九時ぐらい。起きる? まだ寝る?」

「……起きる……」

 と言いつつ、彼はゆっくり目を閉じてゆく。可愛い。三郎は、雷蔵のやわらかな髪に手を触れた。

「朝飯作ろうか。何か食いたいものはあるかい?」

 そう尋ねた瞬間だった。ゆるゆるとまどろんでいた雷蔵は、突然目を大きく開き、いやに明瞭な声でこう答えた。

「カツ丼」

「えっ」

 三郎は絶句した。それは完全に予想外だった。彼のことだから、何を食おうか迷い出すと思ったのだ。そして、そのまま再び眠りに落ちてしまう……と、そこまで想像していた。なのに、一秒も迷うことなく彼は答えを出した。しかもそれが、カツ丼。

「カツ丼食べたい」

 再度、雷蔵は言った。先程よりもはっきりとした口調だった。三郎は焦る。トーストやスープに果物、もしくは米や味噌汁や卵などの用意はあるが、カツ丼を作るための材料は持ち合わせていない。

「あ……朝から?」

「うん。カツ丼食べたい」

 雷蔵は真面目な顔で頷いた。カツ丼。起き抜けの胃に入れるには、流石に重い。雷蔵の健啖ぶりはよく知っているけれど、ここまでアグレッシブだと思わなかった。

「……もうちょっと、軽いものにしようよ」

 三郎がそう言うと、雷蔵は首をかしげた。そして答える。

「……牛丼とか?」

「いや重いよ。じゅうぶん重いよ」

「じゃあ……唐揚げ?」

「そんなに肉が食いたいのか、きみは」

「朝ご飯はしっかり食わないと駄目、って言うじゃないか」

「カツ丼やら牛丼やらは、しっかりの度を超えているよ」

「そうかなあ?」

 雷蔵は身体を起こした。首もとのゆるくなったTシャツから、鎖骨がのぞく。思わずそちらに目を向けると、雷蔵の腹がぐうと鳴った。





朝ご飯を食べるとこまでいかなかった……だと……!!
すいません、起き抜けにカツ丼を所望する雷蔵が書きたくてつい……。
雷蔵は起きた瞬間から肉イケると良いです。
三郎は珈琲だけ、とかそんなん。雷蔵はきっと珈琲は飲めない。ミルクと砂糖いっぱい入れたら飲める。三郎は、そんな雷蔵が可愛いなあって思ってるんですきっと!
……関係ない話ですみません。
そして、お題未消化ですみません……!
リク有難うございました!