※鉢屋も不破も女の子で百合です
※ふたりは、くのいち教室の生徒という設定です
※正直、もう誰が誰だか分からんです……
※OKな方のみ↓
■わたしと彼女の話■
くのいち教室始まって以来の優秀な生徒。
山本シナ先生も認める変装の名人。
決して誰にも素顔を見せない変わり者で、孤高のひと。
そしていつも、同室のわたしの変装をしている。
これが、わたしの知っている彼女の全てである。
彼女にまつわる噂は、いくらでもある。素顔を見せないのは、火傷の跡があるからだとか、とんでもない醜女だからだとか。はたまた、実は彼女はやんごとなき御方の御落胤で、身を隠さなければならないのだ、とか。
他にも色々、それこそ数え切れないくらいの噂が存在する。みんなの想像力に感心してしまうほどに。それだけ彼女は注目されていてるわけだ。彼女自身もそういった噂のことは知っているようだけど、否定も肯定もしない。だから周囲は言いたい放題である。
「紅みたいなものだよ。ひとつの色じゃ詰まらない、いろんな色があった方が良いだろう」
髪の毛(かもじだけれど)に櫛を入れながら、彼女は歌うように言った。彼女はいつもこんな風に、少年のような物言いをする。はしたない、という者もいるけれど、わたしはこの歯切れの良い口調が好きだ。
「……その例え、よく分からない」
鏡と向き合いながらわたしが言うと、背後で彼女が笑う声がした。わたしは、鏡の中の自分と睨み合う。すると、彼女がわたしの肩に手をかけた。
「ねえ、ちゃんと出来たかい? 見せてご覧よ」
わたしは鏡を床に置き、彼女の方を振り返った。彼女は顎に手を当てて、わたしの顔をまじまじと見つめた。そして、ふう、と息を吐き出す。
「何回やっても、きみは化粧が下手だね」
わたしは鏡を拾い上げて、もう一度自分の顔を確認した。確かに化粧は苦手だけど、溜め息をつかれる程酷いつもりもなかったので少し心外であった。でも、彼女に比べたら自分の化粧が如何に垢抜けないか分かる。
「どうやっても、途中で面倒になるの」
わたしは素直に、自分の拙さを認めることにした。彼女は肩をすくめて、こんなことを言う。
「化粧に差がついてしまうと、わたしの変装も生きないだろう」
「またそうやって、勝手なことばかり言うのだから」
そう言いながら、わたしは手ぬぐいで唇に乗せた紅を拭き取った。色が悪いのかしら、と紅の器に手を伸ばすと、それを阻むように彼女の手が重ねられた。ひやりとしていて、薄い手である。
「なあに?」
怪訝に思って振り向くと、彼女はわたしに顔を寄せてきた。やわらかな唇が覆い被さってくる。白粉のほのかな香りがした。
一体何がしたいのか分からないけれど、彼女はこうやって時折わたしの口を吸う。いつも突然、何の前触れもなく、である。ときにじゃれつくように、そしてときに縋り付くように口を合わせてくる。
今日は、前者の方だった。わずかに残った紅を舐め取るように、濡れた舌をわたしの唇に這わせる。
わたしは軽く、彼女の肩を押し返した。
「つれないの」
おどけた風に肩をすくめる彼女に背を向けて、わたしは鏡を手にした。
「だって、授業に遅れるもの」
「もう、口を吸っても怒らなくなったね。最初は酷く怒っていたのに」
「怒ってもやめないでしょう」
憮然とした口調で言って、わたしは指に紅を塗りつけた。その指が震えていることと、顔が赤くなっていることが彼女に気付かれませんように、と願いながら。
はち……らい……?
三郎と雷蔵の名前をどうやっても女の子に改変できなくて、名前出さなかったから完全に「誰やねん」なことに……!
百合は百合ですけど、鉢雷とはまた別物である気がしてならない……。
ふおお女体化って難しいですね!
すみません微妙な感じになってしまった!
リクエストありがとうございました!
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