※雷蔵が一年生
※更に、乱きりしんたちのいる一年は組に所属している、というパラレル設定です
■その子も一緒■
「教えたはずだあ!」
一年は組の教室に、土井先生の怒鳴り声が響き渡る。土井先生に怒られても、は組の生徒たちは、しゅんとなったりしない。あれー? そうだっけー? ととぼけてみせるだけだ。
「雷蔵、覚えてた?」
隣の席の伊助が、そっと声をかけてきた。雷蔵は笑って首を横に振った。
「全然」
「だよねえ」
伊助も微笑む。そのもうひとつ隣で、庄左ヱ門が「ぼくはちゃんと覚えていたよ」という顔で背筋を伸ばしている。彼は今日も冷静だ。教壇では、土井先生が胃に手を当てて小刻みに震えていた。また、胃が痛いのだろうか。
「お前たちっ、今日の放課後、補習を行うからな!」
土井先生の宣言に、えええっ、と不服の声があがった。雷蔵も、みんなと一緒に声をあげた。しかし土井先生はそれを、「やかましい!」と一蹴したのだった。
「きり丸。図書室に、今日は補習があるから委員会は欠席する、って言いに行こう」
授業が終わって、きり丸に話しかけたら、彼は目を丸くした。
「そっか、今日は委員会があったっけ」
雷蔵ときり丸は、ふたり揃っては組の教室を出た。廊下をてくてくと歩きながら、きり丸がぼやく。
「やんなるよなあ、補習なんて」
「ここのところ、毎日だもんねえ」
「おれ、今日は委員会の後にバイトに行くつもりだったんだ。補習の後でも間に合うかなあ……」
「きり丸は本当、偉いなあ」
「今日のはさあ、すっげえ割の良い仕事なんだよお……」
「土井先生も、きり丸の外出届はご覧になっているはずだから、きっとバイトに間に合うように終わって下さるよ」
雷蔵は微笑んで、きり丸の背中を叩いた。土井先生はそういう人だ。よく怒るし拳骨を振るうこともしょっちゅうだけれど、とても優しくて頼りになる。だからみんな、土井先生のことが大好きなのだ。
「……そうだよな。よし、補習がんばるぞ、雷蔵」
きり丸は口元を引き締めて、拳を持ち上げた。雷蔵も彼と同じ格好をして「おうっ」と呼応した。
「また、は組は補習だって」
「ああ、やだやだ。これだからあほのは組は」
そんな彼らのすぐ側を、い組も伝七と左吉がにやにやしながら通り過ぎてゆく。きり丸がすぐ「何だと」と、彼らにつっかかってゆこうとするので、雷蔵は慌ててきり丸の腕を掴んだ。
「よ、よしなよ、きり丸」
そんなことしてたら、その分補習の時間が遅れちゃうよ……と、必死になってきり丸に縋り付く。
30分!
もうちょっと書けそうでしたが、調べ物に時間使ってしまった……。
(しかも結局それは反映されていない、っていう)
雷蔵があのクラスに混じったら、ろ組雷蔵よりもちょっと成績悪い感じかな、と思いました。
子どもって周りに影響されるし!
先生の言うことについて行けなくて、目が離れちゃう雷蔵も可愛いじゃない!
で、仲良しは伊助とか庄左ヱ門かなーと何となく思いました。なんとなく!
学級委員長と仲良くなる習性を持つ不破雷蔵(?)
あ、でも庄ちゃんと仲良くしてたら、勉強もするかな?
色々考えてたら楽しい……!
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