名前の悲劇〜FF6編〜
いざざの話。


私にとってFF6は、人生最大のラヴゲームであると同時に、生まれて初めてプレイしたRPGでもあります。
まだ私が小学生だったころ、ドキドキしながらソフトを買いに行き、ドキドキしながら開封する。
あの時の興奮は、今だ忘れられないものがあります。

FF6は、当時では前代未聞の24メガという大容量にぎっしり濃縮された、ハイクオリティな音と映像とドラマ性溢れるストーリーが売りでした。

そんな時代の最先端なソフトに、
ファミコンを卒業して間もない少女が、触れてしまったのですから大変です。
もう、ストーリーが始める前からドッキドキです。
この時少女きりんこキリンは、早くプレイしたい!と思うがあまり、

説明書を読まずにゲームを始めてしまったのです。


ゲーム慣れしてる人間でしたら、取説読まなくてなんとかなりますが、初心者がぶっつけ本番というのはなかなかにヘビーです。
結果、ストーリーが始まりまして実際にティナを動かせる、となっても何だかよく分かりません。
しかし、まだまだ若い少女きりんこです。そんなものはフィーリングでなんとかなりました。
と、いうか一度もメニュー画面を開かずに進めて行きましたので、十字キーとAボタンしか使っていない、という噂もありつつ。

そして、最初の中ボス「ユミール」を倒しました!

幻獣と反応したティナは、疲労のため倒れ(確か)謎の老人に助けられます。
そして、老人はティナに名前を尋ねます。

さあ、名前入力画面です!! 

これは、最も重要な作業です。
長い長いストーリーを共にする、主人公の名前を決めるのですから。
画面には、すでに「ティナ」と入力されていますが、初期設定のままゲームを進めるのも何だかつまらない気がします。
ここは一つ、自分で素敵な名前を考えてみましょう!!


しかしここで問題発生。

スーパーファミコンビギナーで、かつ説明書を読まずに始めてしまった少女きりんこは、

Bボタン=キャンセル。名前入力時は一文字戻る
という概念が全く無かったのです!
ですから当然「え?このティナって文字どうやったら消えるの?」
ということになります。

ここで説明書を開けば一発だったのですが、パニックになっていた少女きりんこは、
めちゃくちゃにボタンを押しまくってしまいました。
そして、ついにはスタートボタンを押してしまい、ティナの名前が大決定されてしまいました。


「私の名前は……ティナいざざ……」


いざざ!!??
←動揺。


ティナいざざ…
ティナいざざ…
ティナいざざ…
ティナいざざ…
ティナいざざ…
ティナいざざ…
ティナいざざ…
ティナいざざ…


物凄い語感です。
ていうか泣きそうです。意味わかんねえし!!
いやでも、この語感はちょっと神がかってると思います。「テイルズオブファンタジア」の、主人公のランダムネーム、「スンサモパシ」くらい凄い語感だと思うのですよ。正にミラクル。

…さて、「ティナいざざ」にひどく打ちひしがれた当時のわたくしですが、少女きりんこに初めからやり直す気力も無く、
結局ティナいざざでエンディングを迎えました。
ラストバトルのパーティーは、エドガー、マッシュ、セリス、ティナいざざです。
この異物感がたまらない。

……自分で名づけておいて何なんですが、ティナの父親マディンが、自分の娘に名前を付けるシーン、

マディン「この娘の名前は、ティナいざざだ。
      どうだ、いい名前だろう?」

ってところでは、マディンの神経を疑いましたね。

しかし、慣れてしまうとこの名前にも愛着が湧いてくるものでして。
私、FF6は3回ほどクリアしましたけど、
全てティナの名前はティナいざざでした。マジで。

ええと、何だ。
皆様も、RPGの命名は慎重に!!